歯を抜きたくないなら早めに準備を!!


今回は、皆さんの素朴で意外と難しい希望!(願い?)歯を残すにはどうしたらいいのかという話を書いてみたいと思います。

皆さんはどんな時には医者さんに行きますか?歯が痛いとき、歯がしみるとき、歯ぐきが痛いとき、顎が痛いとき、いろいろと人によって違うとは思いますが、やはり、痛いときが多いのではないでしょうか、なかには、私は痛くなくとも定期的に歯医者さんにクリーニングに行ってるよ!という方もおられるでしょう。ただ、いまのところ痛みがないけれど歯医者さんに行くという方は、少数にとどまっているのが現状です。ようするに歯医者さんは痛いときに行くところという方が多いということです。

歯医者さんは怖い、痛い、行きたくない!という気持ちがそうさせているのかもしれませんし、保険制度の治療が原則という予防にまであまり気配りが回っていない制度のためかもしれません。

しかし、私は大学を卒業して20年以上患者様を見ていますが、どうも患者様は、痛くないときは自分の歯は問題がない(虫歯や歯周病が進んでいない)と思っているような気がしています。たしかに、心のどこかでは歯医者にも何年もいってないし、もしかしたら、怪しいところがあるかもしれないくらいは思っているのかもしれません。でも、痛くないんだけれども大きく進んだ虫歯というものがあることも!!痛くないんだけれども大きく進んだ歯周病というものがあることは、あまり知らないように見えます。

当院では、痛みのあるところはもちろん、全体のチェックを行うときには、お話をするだけではなく、問題のある歯を口腔内カメラで写し、それを見ながら説明を行っています。銀歯を外した時も、プラスチックのやり直しを行った時も、術前と術後の画像をお見せするようにしています。

たとえば、上の写真の①は、銀歯も外れていないし、痛みもない歯です。でも、よーく見てみると、銀歯のはじは黒くなっており、白い歯の下には、なんとなく黒い影がすけてみえてくるではありませんか!これは、画像を見てみなければわからないことですし、我々だって判断が難しいこともあります。しかし、この歯は明らかに虫歯になっているでしょう!ちょうど隣に銀歯が外れた歯があります(②)ここに見えるように銀歯の下には、①にも虫歯があるのです。

残念ながら、10年程度たった銀歯は、ほとんどの歯が、大なり小なり虫歯になっています。しかし、神経には自分の神経を守るため慢性的な虫歯が攻めてきたときは、新たな壁を内側に作ることで対抗してくれます(二次象牙質)。結果、ゆっくりした虫歯は意外と痛みが出ないのです。しかし、モノには限界があります。何かのきっかけで痛みが出た時には、神経をとる治療やときには歯を抜く治療をしなければいけないことが多いのです。要するに後手に回ってしまい、それが歯を失う大きな原因になっています!!

ここでわかることは、痛くなるまで待っているといいことはないということです。確かに痛くないのに歯の治療に行くのは大変ストレスがかかりますし、大変かもしれません。(その気持ちもわかりますので、全員が痛みがないのに治療することはないと思います)しかし、皆さんの願いは、、10年後も20年後も自分の歯がなくならないことだったと思います。それであればちょっと大変かもしれませんが、まずは、歯医者さんにクリーニングがてら検診に出かけてみたらいかがでしょう!

当院の患者さんを見ていると、治療が終わってまた3年とか5年とかぐーんとあいてしまった方は、また、今までと同じペースで虫歯ができ、歯周病で顎の中の骨も溶けていくことが多いです。しかし、一年に何回かでも定期的な健診に来ていただいた方は、大きな治療をすることはあまりありません。大きな治療をしないということは、あまり歯を削ることもないし、抜くこともないということです。検診に行ったらいろいろな治療を進められるのではとか、また、半年かかるのではという気持ちを持たれる方もいるかもしれませんが、きちんと通っている方にそのような方はまずいません。

歯はたくさんあるに越したことはありませんし、歯ぐきから血が出ないほうがいいに決まってます!いろいろな気持ちはあるかと思いますが、その方にあった治療法や、頻度、コストやり方があります。時には全部一度に治療しなくともいいのです。それよりも丹念にある程度の期間で来院し、自分の歯を育てるように、歯医者と二人三脚でかかわっていくことが、、自分の歯をなくさない極意なのかもしれません!

ながくなりました、きょうはこのあたりで、、