歯周病は治すより粘る!!こと。(歯周病①)


こんにちは、佐藤デンタル志木の佐藤です。

今日は、歯周病(歯茎や歯の周りの骨の病気)について書いてみようと思います。

昔は歯槽膿漏なんて言われていたので、そのほうがピンとくるかもしれませんが、今は歯茎だけの炎症のものを歯肉炎、その下の歯の周りの骨などにも炎症が及んでいるものを歯周病と呼んでいます。

以前書いた通り、今、若者だけでなく中年老人など全年齢層で虫歯のり患件数は減ってきています。理由はいろいろあると思われますが、一番は、歯磨き粉へのフッ素の添加であると思われます。

虫歯に関していえば、フッ素入りの歯磨き粉を使うだけで、虫歯は半分になるのではないかというのが、私の実感です。それくらいフッ素入りの歯磨き粉の効力は大きく、虫歯に対しての特効薬ということができるかもしれません。

その反面、歯周病に対しては、フッ素に相当する特効薬は今のところありません。以前、グルコン酸クロルヘキシジンという薬物が入ったものでうがいをすることで非常に歯肉の炎症に対して大きな効果を上げたことがあります。しかし、今もそれの入った商品は売られていますが、濃度は100分の1、1000分の1になっていて、以前のような効果はなくなってしまいました。以前の濃度では、アナフィラキシーショックという重篤な症状をおこす人がまれにいたため、高い濃度での使用は認められなくなったのです。

例えば、農薬などの例を挙げるまでもなく、細菌や病原菌、虫などに対して大きな効果のあるものは、人間に害を及ぼすことが多いことも事実です。歯ぐきにきくということは、口の中のすべての部分に作用することが考えられるため濃度や作用に関して、害がないかよく考えて使うことも大切なのです。

確かに、基本的には問題がなく歯周病菌に有効に働く成分が入った、歯磨き粉などもあるのですが効果は限局的です。やはり、薬物で細菌を殺すよりきちんと汚れを落とすということが、現在でも歯周病に対したとき一番の有効手段なのです。

では、具体的にはどうしたら歯周病にならないようにまたなっても進行しないようにすることできるのでしょうか!

ひとつは、先ほども書いた通り、歯についた歯垢(プラーク)を取り除くことです。お家で歯ブラシをきちんとすることがこれにあたります。そして、歯医者さんで衛生士によるクリーニングや歯石の除去を行うことも大切です。自分で歯ブラシをして口の中をきれいにしておくことは非常に大切ですが、残念ながらすみずみまで歯ブラシをするのは難しく、さらにいえば、歯ぐきの下についてしまった歯石などは自分でとるのは不可能です。

勝ち目のない戦いに自分だけで乗り出すのは利口とはいえません。実際、定期的な歯科医院でのケアは非常に成果を上げています!

(今回は歯周病の①ということで、具体的なやり方については今後また書いていきたいと思います)

歯周病が悪くなるには、歯ブラシや歯医者さんでのケアをしてないなどのほかにも、食べ物の種類や食べ方の問題(甘いものはほどほどに、ちょこちょこ食いはさける)、噛み合わせの問題(歯ぎしりなどでも悪くなります、ガタガタしたかみ合わせも問題をおこしやすくします)、飲んでる薬の問題(骨粗しょう症の一部の薬で歯周病がすすんでしまうことがあります)、あってないかぶせ物の問題(あってないところに歯石や歯垢がよくつきます)などなどいろいろな要素が絡んですすんでいきます。

これらのことは、今回だけで語りつくすことは不可能ですし、ブログだけでそれぞれの方の状況にあったアドバイスをするのは不可能なわけですが、今後歯周病シリーズとして最新の考え方をもとに少しでも皆さんの参考になるようなお話を書いていければいいなと思っております。

最後に、歯周病の基本的な考え方と付き合い方について書いておきたいと思います。

今回は、歯周病については、歯ブラシと歯医者さんで行うクリーニングやチェックが大切だと書いてきましたが、歯周病で厄介な歯の周りの骨が溶けるという現象は、一度始まってしまうとなかなか止まりません。その部分がスペースとなり悪いものがどんどんたまるようになるわけですので、細菌からすると非常に優勢な状況になるからです。

また、一度溶けた骨は、ほぼ元通りに戻ってくることもまずありません。溶けてしまったらあとは減るだけなのです。(多少増加する場合もまれにありますが、、)ですから、年齢が上がるにつれて重篤な症状をきたす患者さんが増えてきます。ここでいえることは、症状のない若いうちから気を付けて、自分の大切な歯の周りの骨を少しでも減らさないということです!!!

歯周病は減点法です。一度、60点になった人が80点を取るのは難しいですし、40点になった人が60点を取るのも大変です。(だいたい30点を切ると歯がぐらついて抜けてきます)

ですから、点数を減らさないことが一番重要なのです。点数は、腫れたときそして、歯がぐらついているときに大きく減ります。ですから、少なくともそういう症状のある方はすぐ歯医者さんに行くべきですし、そうやって点数が減り始めてから、もしくは減ってしまってからではなく、できれば、まだ点数がたくさんあるときに歯医者さんに言って適切な治療とアドバイスをもらい、自分の歯周病点数を減らさないようにするのが大切なのです。

当然、減り始めは減り方も緩やかですが、進むにつれて非常に速いペースで進んでいきます。やはり、症状が出てからでは手遅れになることが多いのです。(最悪抜かないでよかった歯を抜くことにもなります)

歯周病との戦いは、一生続きます。完全に治すというより、点数を減らさないよう粘り続けることが大切なのです!!

ですから、定期的なチェックと毎日の適切な歯ブラシということになります。みなさんも年をとっても自分の歯で食べるために、若いうちもしくは今のうちに(痛みのないうちに)歯周病にかかわりはじめていきませんか!きっと後になってあの時始めてよかったなと思っていただけると思います!

治療の内容などはお気軽にお問い合わせください!まずは健診から!

長くなりました今日はこの辺で。。